恋歌 〜secret love〜
 

「ところで、何で勇人がそんなに静かなんですか? 気持ち悪いんですけど……」


「作ってきた曲があんまり良くなかったから落ち込んでるんですよ。しかも、奏が得意なバラード」



彩乃に言われて、頼城先生は全部納得したみたいに頷いた。



「得意、不得意があるのは仕方がありませんよ。当たり前のことですし。

……まぁ、だからって、それを放置しても良いってわけじゃないですけど。

いっそ、誰かに任せてみてたらどうです?」


「任せる?」



ぽかん、とした表情の勇人に、頼城先生は微笑みかけた。



「勇人だけが曲を作るなんてルールはないんですから。あなた達全員で、PEACEでしょう?」


「えっ。じゃあ、誰が……?」



そう言ってまっすぐ頼城先生を見た勇人に

先生は初めから台詞を用意してたかみたいにすらっと答えた。
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