恋歌 〜secret love〜
小さな声で
こっそり……でも、ちゃんと気持ちを込めて出来上がった歌を歌ってみる。
響く低音。
伸び上がる高音。
柔らかいメロディー。
強さを垣間見させた歌詞。
これが、あたしの今できる、最高のモノ――――
最後まで歌い終わったあたしは、ゆっくりと息を吐いた。
「これで……、よしっ!」
歌が完成したことが嬉しくて、思わず頬がゆるむ。
タイトルは
『 恋歌 〜secret love〜 』
明日、みんなに見せよう……――――
そう思いながら、あたしはそっと、ルーズリーフを鞄に入れた。