恋歌 〜secret love〜
◆fifth melody
┣アツいナツ
暑い……
「あちぃーーー!!」
「煩い!勇人!そんなこと言ってたら余計暑く感じるでしょ!」
「ば、馬鹿! 叩くなよ!」
「そんなことやってるお前等の方が、よっぽどアツいじゃん……。ねー、進?」
「うん。 嫌になるくらいだよね、慶介」
昼間からラブラブオーラを放つ勇人と彩乃に、あたし達はため息を吐いた。
時間って、何でこんなにあっという間に過ぎちゃうんだろう?
気付いたらもう、夏休みなんだもん。
そうは言っても、鶯加高校では3年生だけ、夏休みに入ってからすぐは受験用の補講がある。
一応“自由参加”って言われてるけど、実質的には強制参加の補講。
今は、補講が終わった教室で、みんなでお昼ご飯を食べてるところだった。
ありがたいのか、迷惑なのか、……――――
実際に参加してるあたし達にだって、そんなことはわからなかった。