恋歌 〜secret love〜
でもそんなみんなにだって、悩みや不安がないわけじゃないと思う。
だからこそ、自分だけが悩んでるような顔をして、立ち止まったままなんて嫌。
あたしも、悩んでる時間があるんだったら
どんなことにだって全力で取り組んでいきたい――――
みんなを見て、そう思えた。
夏休み。
PEACEの練習。
文化祭。
みんなでのライブ。
受験。
やることは本当にいっぱいだ。
ぼけっ、としてる暇なんてない。
掌の中の鍵をギュッ、と握り直して、あたしはまっすぐ前を向いた。
暑さも、日差しも、焦りも、辛さも、……。
全てを吹き飛ばすくらいにがむしゃらに頑張ろう。
まぁ、そんなことしたら余計に熱くなっちゃうかもしれないけどね……?
みんなの騒ぎ声が響く中
あたしはそんなことを考えながら、白いドアにそっと手を添えた。