恋歌 〜secret love〜
でもやっぱり……



頼城先生がせっかく話を聞いてくれるって言ってくれたのに

何も話さないなんてもったいない……よね?



ここで素直に相談するのが、可愛い生徒……だよね?



そう思ったら、さっきまでのもやもやは消えた。



そのままパッと顔を上げたあたしに、先生は首を傾げる。



「大丈夫か?」


「はい。あの、それで……やっぱり、話を聞いてもらっても良いですか?」



少し遠慮がちにそう言ったあたしに、先生はにっこりと笑った。



「あぁ、もちろん。今日はPEACEの練習もなかっただろ?
クラスの準備もなかったはずだよな……?」


「はい。確か、明日だったかな?」


「じゃあ、講習が終わった後に職員室にいるから」


「ありがとうございます!」



朝の蒸し暑い廊下に、あたし達の笑顔が光った。
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