恋歌 〜secret love〜
そう言うと、頼城先生は少し困った顔をした。


何か、まずいことでも聞いちゃったのかな……?



それだったら、本当に嫌だ。



「あ、あの……!」



焦って言葉を挟むあたしに、先生は優しく微笑んだ。



それはまるで

「心配ない」

って言われてるみたいで、あたしは静かに口を閉じた。



「俺は、とりあえず英語を勉強したかったから、英語を専門的に学べる大学を探したよ。

教師になるって決めたのは、大学に入ってからだからな」


「そうなんですか?」


「あぁ。大学を選んだ基準も結構いい加減でなー。

自分の偏差値と、場所、知名度、カリキュラムなんかを総合的に考えて、条件が揃った所を選んだんだ」
< 172 / 339 >

この作品をシェア

pagetop