恋歌 〜secret love〜
◆sixth melody
┣始まった文化祭
「こんなに早かったっけ? 文化祭って……」
あまりにも早く来てしまった今日に、思わず体が固まった。
「何言ってるのよ! クラスの喫茶店の準備もして、PEACEの練習もして、勉強もして……
ものすごーく長い夏休みを過ごしたじゃない!」
「本当にキツかったよな。俺、休んだ記憶ないし……」
ぐたっ、と疲れた表情をする勇人を見て
彩乃が「はぁ……」と溜め息を吐いた。
彩乃は長いって言ったけど、あれからの1ヶ月はとてつもなく早かったと思う。
目が回るくらいたくさんある、やらなきゃいけないことに振り回されて……
それでも全部を一生懸命やって……
毎日くたくただったけど
毎日がすごく充実してて、すごく楽しかった。
大学についての相談をしてからは、頼城先生と2人でゆっくり話す機会もなかったけど
それでも……
何だか、先生と同じ空間にいられる毎日は、無条件で幸せだった。