恋歌 〜secret love〜
┗ピンク色の便箋
「失礼……しまーす。あ、と……頼城先生に用事があって、来ました」
職員室は、やっぱり苦手だ。
前に頼城先生に質問があって来た時も怖かったけど、今はそれとは別の意味で……嫌だ。
入った瞬間に流れる張り詰めた空気。
集まるようで集まってない視線。
よみがえる、中学の記憶。
たぶんそのせいで、“職員室”って響きが、苦手なんだ。
「奏……?」
声を詰まらせるあたしを、頼城先生が不思議そうに見た。
「……あ、そうでしたね。うっかりしてました。音楽室に移動しましょうか」
そう言うと、先生は立ち上がった。
ついてくるようにと目であたしに訴えて、そのまま歩き出す。