恋歌 〜secret love〜
「『恋歌』の歌詞です。
普通の便箋に書いちゃったんですけど……良かったですか?」
昨日、みんなと別れてから買いに行った、すごくシンプルな便箋と封筒。
淡いピンクに染められただけで、何の飾り気もない。
罫線もない。
そこに、黒のペンであの歌詞を書いた。
本当は、思ったんだ。
可愛い模様の入った便箋に
可愛い色のペンでカラフルに彩って渡そうかな……って。
でもそうしたら
この歌に込めた気持ちが、嘘になる気がした。
秘密にする。
そう決めたけど、嘘にはしたくなかったから――――
「あぁ……わざわざ丁寧に書いてくれたんだな。ありがとう」
「いえ……。でも、何でこの歌詞を?」