恋歌 〜secret love〜
◇seven point five melody
┗秘めていた過去
奏と会ってから、何日か経った日の夜。
インターネットで気になったサイトを見ていると、いきなり手元でケータイが震えた。
ちらっと視線を送ると、青く光るライトが見える。
買った時から全く触ってない設定。
震えはなかなか止まらない。
……電話だな。
パソコンに向けていた体をずらして、俺はケータイを耳に当てた。
「どうしたんだ?こんな時間に。今日は学校でも会っただろうが」
『ちょっと、言い忘れたことがあったんだよ』
「それでわざわざ電話か? お前、よっぽど俺が好きなんだな」
『気持ち悪いこと言うなよ。淋しい隆夢ちゃんとは違って、俺には可愛い彩乃がいるんですー』
不機嫌を装った声色の勇人が、何だか妙に憎たらしい。
「一言多いんだよ、勇人は。で、言い忘れたことって何だ?」
高校生相手に大人気なかったか?
少し苦い気分を拭いきれないまま、勇人の言葉を待った。