恋歌 〜secret love〜

『隆夢ちゃんさ……俺の志望校、どう思う？』


「どうって……良い大学だと思うぞ。レベルもなかなかだしな」


『いや、そうじゃなくてさ。俺の学力で行ける見込みはあるか、……って話』



あぁ、そういうことか。


言い忘れた、そう言ったのは照れ隠しだったのかもしれない。



センター試験まで、約2ヶ月。


予定されていた模試もほとんど終わった今、不安になる受験生の気持ちがわからなくもない。



「いつも言ってるだろうが。今はそんな風に悩んでる時じゃないんだよ。
国立だったらとりあえずセンターだ。そこで点が稼げたらレベルの高い大学だって受けられる」



そこまで言ってから、軽く溜め息を吐いた。



「勇人は、確実に力を付けてんだ。だから、このまま勉強すれば、受かる可能性は十分あるだろ」


『……それって、今のままでは足りないってことか？』