恋歌 〜secret love〜

「全部知った時には失望したよ。そいつらにも……、自分にも。結局2人は結婚してな。

俺はあれから縁を切ってるから、今どうなってるかは知らないけど……。まぁ、それなりに幸せに暮らしてるんじゃないか?」



1年近くも騙されてた俺は、どれだけ馬鹿だったんだろう。


1年も騙してた彼等は、どれだけ阿呆だったんだろう。



行われてたこと自体は、実はとてもシンプルだったのかもしれない。



だが、その傷跡は大きくて……


確実に、俺達の間には溝ができた。



自業自得だとも思うが、俺が少しの間……

いや、今でも人を信じ切れないのは、この出来事がきっかけだったような気もする。



人だけじゃない。


信じることが怖くて、願うことが愚かなことに思えて



希望を諦めるようになったのはこの頃からだった……――――




『隆夢ちゃん、まだ未練、とかあるのか? その2人に……』


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