恋歌 〜secret love〜
『ふーん……』
ベッドにぼんっ、と体を沈めてみる。
疲れた身体をゆっくりと包む柔らかさに、心が休まる気がした。
「どうだ?人生の参考にはなりそうか?」
『そうだなぁ……。隆夢ちゃんが意外に馬鹿だったってことは、よーくわかったよ』
電話ごしの呆れた声に、思わず笑いが零れた。
高校生を呆れさせる教師って……
勇人が言うように、俺は今でも、意外に馬鹿なのかもな。
『つーか、真面目すぎなんだろ? 隆夢ちゃんって。
しかも、1つのモノにハマったら、それに真剣に向かい合いすぎて周りが見えなくなるタイプ』
「よくわかってるじゃねぇか。真面目かどうかはわかんねぇけど……。たぶんその通りだよ。
あの時も、彼女をどうしたら大切にできるかって、そればっかに必死で、周りが見えてなかったんだと思う」