恋歌 〜secret love〜
笑いながらそう言ってみた。
さっきまでのぐるぐるとした、気持ちの悪い感情はどこかに消えていったような……
そんな気がする。
『これからは、もう少しポジティブに行けよな』
「お前に言われなくても大丈夫だよ。
だいぶ時間も遅いし、用が終わったならもう切るぞ? 受験生をそんなに拘束するわけにもいかないからな」
『だぁーっ!ちょっとストップ!』
「何だよ……? 変な声出して」
焦ったように大声を出す勇人に、思わず首を傾げた。
『全然違う話なんだけど、聞きたいことがあるんだよ』
「聞きたいこと?」
今度は何だよ……
軽く溜息を吐きながら、先を促す。
『奏が書いた“恋歌”なんだけどさ……。
隆夢ちゃん、あの歌詞ちゃんと眺めてみたか? 書いてある文字を、じっと……さ』