恋歌 〜secret love〜
「貰ったものだし、ときどき見てはいるけど……。そこまで文字だけを眺めるなんてしてないぞ、さすがに。
じっと眺めると、何かあるのかよ?」
『……あーいや。まぁ、あったんだよ。それが』
「は?」
適当に言葉をつなげただけのつもりだった。
でも、それに返す勇人の声は落ち着いていて、さっきまでのはしゃぎ方が嘘みたいに思えてくる。
『何つーか、言葉の選択が変わってるな、って思う箇所がいくつかあってさ。じーっ、と見てたら閃いたんだよ!』
「だから、何にだ?」
『はぁあ!? そんなの秘密に決まってるだろーが』
当然のことだとでも言うように、勇人がばしっ、と言い切った。
たぶん、電話を持ちながら、眉間にしわでも寄せてるんだろう。
「何でだよ。良いじゃねぇか、教えてくれたって……。気になるだろ」
『気になるなら自分で探せよ。
俺にできたんだ、隆夢ちゃんできないわけがないだろ? あ、それとも自信がないとか?』