恋歌 〜secret love〜
試験まではあと1ヶ月。
試験科目は……実は、小論文だけ。
“小論文”
そう言うと、作文みたいで簡単だって思いがちだけど……
時間内にしっかりと
確実に合格できるだけの、説得力と迫力のあるものを完成させたいから
ちゃんと勉強しよう! って
そう思う。
薄暗い廊下をゆっくりと歩いた。
だいぶ日の暮れた今の時間、校舎に生徒はあまりいない。
だから、ひたすら静かな廊下には、あたしの足音しか響いてなかった。
そのリズムは少し不規則に揺れてて……
ここにいるのはあたしだけなんだって思い知らされたみたいで
何だか不思議な気分だった。