恋歌 〜secret love〜
「志望校は決まったけど、この先は今まで以上にキツくなると思う。
でも奏なら……辛くてもきっと、精一杯やって最高の結果が残せるはずだ」
「な、何を根拠にそんな……?」
ストレートに誉められると、少し焦る。
それは、あたしの性格のせいだからなのか。
それとも、相手が頼城先生だからなのか。
どきどきでいっぱいの、今のあたしの思考力では、判断できない。
「この1年を見ていればそう思うさ。部活も、勉強も、バンドも、全てを真剣にやってきた奏の様子を見ていれば……な。
俺は、そのくらいは見てきたつもりだぞ」
軽く笑ってそう言ってくれた先生の言葉に、笑顔に……
思わず胸がきゅん、と掴まれた感じがした。
「ありがとう、ございます……」
先生の眼を見れなくて、下を向いたままそう答えた。