恋歌 〜secret love〜
「……良い、よ」
あたしは、小さく言った。
「まじでっ?やったぁあ!やったぞお前等!!」
「あぁ。これで、俺等のバンドが一番注目されるな」
手を広げて小学生みたいにはしゃぐ勇人。
腕を組んで満足気に頷く六濱くん。
みんなが思い思いに喜んでくれて、あたしまで嬉しくなった。
頼城先生も、あたしを見て微笑んでくれてる。
「おい、奏っ!お前も自己紹介しろよ!」
勇人の言葉を聞いて、みんながあたしの方を向いた。
「鶯加高校3年9組、押端奏。アニソンからレトロな歌まで、何でも任せて下さい!
ドジだし、勇人や彩乃みたいに頭も良くないし、迷惑を掛けると思いますが……
ボーカルとして、皆様よろしくお願い致します!」