恋歌 〜secret love〜
ぐっ、と両腕をのばしてから、あたしはまた、参考書に目を落とした。
だけど思い立って、少し顔を上げる。
机の上にかけたコルクボードには、奏や勇人達と撮った写真がたくさん飾ってあって……
それらを1つ1つ眺めてから、あたしはもう一度、視線を下へ向けた。
「頑張らなくっちゃね……」
あたしは、もう一度そう呟いた。
だって、みんなも頑張ってるんだもん……――――
受験生っていう鎖から外れて
またみんなで笑い合える日が、1日でも早く来てほしいと思うから。
当たってもしも砕けても、砕けた時のことはその時に考えれば良いでしょ?
そんな風に考えたら、意外にも頭の中はすっきりしてきた。
あたしらしいと言えばあたしらしい頭の構造に、思わず軽く笑う……。
そんなあたしが、今はいた。