恋歌 〜secret love〜
┗それぞれの進路
「かーなっ!!」
「ほあっっ!」
下駄箱の前で、いきなり彩乃が飛び着いてきた。
「痛いよ、彩乃。
どうしたの? 朝から元気すぎない?」
苦笑いをしながらそう言うあたしに、彩乃はにっこりとした笑顔を見せた。
「何か、前期が終わったと思ったら少し肩が軽くなったような気がして……。
奏を見かけたら嬉しくなっちゃったのよ」
確かに、前期の試験が終わって
今はみんな、ほっとしてるところだと思う。
国公立の試験が終わってから少し。
2月は気づいたら、あっと言う間に終わっていた。
3月に入ってすぐには、卒業式もあった。
でも、結局それからも毎日のように学校に来てるから
卒業した実感なんて全然ないのが本当のところだったりする。