恋歌 〜secret love〜
それにもうそろそろ、大学ごとに合格発表が行われる頃だ。
その後には後期試験。
だから、試験が終わったのに勉強をやめるわけにはいかないし
完全に遊び呆けるわけにもいかないのが現実だった。
「彩乃、後期も同じ大学受けるんだったよね?」
「うん。前期は普通に学科の試験だったんだけど、後期は小論文だっていうから、何か変な気分。
試験が終わった瞬間から、単語帳放り出して、電子辞書と参考書片手に赤本開いて……」
少しだるそうに、冗談っぽくそう言う彩乃は、やっぱり綺麗だ。
「確かにそうだよね。同じ大学の同じ学科の試験なのに……。
受験って、結構謎が多いかも」
「本当に」
そう言って、2人で笑い合う。
教室につくと、中はものすごく賑やかで……
そんな様子を見て、あたし達はまた、お互いに顔を見合せて笑った。