恋歌 〜secret love〜
┣懐かしい声
休憩スペース……これが?
想像してたのよりもはるかに広いその場所を見て、あたしは溜息を吐いた。
グレーの絨毯に、間の前に広がるビルのてっぺんがたくさん見える大きな窓。
まるで、どっかのホールのロビーだよ。
もしくは、週末の展望台?
しかも、解放感を求めて集まった客席の人達の群れは、結構な迫力で……。
本当にこの中から見つけられるのかな?
少し不安になりながら、あたしはケータイを取り出した。
電話帳を開いて、“鶯加高校”グループを開く。
カチカチとできる限りのスピードでボタンを押して
あたしは浮かんできた番号に向かって発信ボタンを押した。
『もしもし……?』
何回か着信音が聞こえてから、戸惑いがちに懐かしい声が響いた。
高くもなくて、低くもなくて
毎日聞いても飽きないくらい……
大好きな声――――
「お久しぶりです。……今、どこにいらっしゃいますか?」