恋歌 〜secret love〜
┗初めてのセカイ
用意されたステージの脇に立って、歩き出す順番を待つ。
天井から下がる何枚もの黒いカーテンの隙間で
あたしは胸を押さえながら、深い息を吐いた。
目の前に広がる、キラキラした真っ白なステージ。
あたしが憧れる……もう1つのモノ。
きっとあそこに立った時点で、あたしのこれからの運命が変わる。
……賞に選ばれるかどうかに関係なく、確実に一歩。
だから、結果なんてどうなっても良い。
あたしは、あたしにできることを全力でやろう。
全力でやって、その結果がダメなら……その時にまた、新しく全力で取り組めるものを探そう。
じゃないと……それを諦めるべきかどうかもわからないまま終わっちゃうから――――
夢を叶えることが難しいなんて、わかってる。
やりたいことばっかりやってる場合じゃないってことも、わかってる。
叶えたって辛いことがたくさん待ってることくらい、わかってる。
でも、だからこそ……