恋歌 〜secret love〜
◇three point five melody
┗小さい味方
わざと選んだ学校より少し遠めのコンビニで、ペットボトル飲料を数本買った勇人とあたし。
それでも、あたし達は自転車置場で少し時間を潰すことにした。
頼城先生と奏をいきなり2人きりにするのも、どうかと思った。
それでも、恋が実る実らないは別にして
可愛い親友に少しでも幸せな時間を過ごしてほしいって勝手な願いを、奏に押しつけた。
押しつけたかった。
「彩乃もやるよなぁー。いきなり弁当持ってくるなんて」
「良いアイデアでしょー」
「あぁ!最高っ」
笑ってあたしの頭を撫でる勇人の仕草に、心臓が跳ねた。
心搏数が上がるのに比例して、だんだん顔も赤くなっていくような気がする。
そのどちらも隠したかったあたしは、あわてて口を開いた。
「でもさ、勇人のメールにもびっくりしたよ。飲み物のやつと、頼城先生の好物のやつ」
「そりゃあ、俺だって奏のためにできることはしてやりたかったし。
だってこれはさ、今まで何も言えなかった奏が、自分の気持ちを正直に彩乃に伝えて、その上で、諦めずに頑張るって決めた証拠だろ?内容が何であれ、人が頑張ろうとする気持ちは大切にしてやりたい。
それに、愛しい彼女が頑張ってることには協力したかったからな」