恋歌 〜secret love〜
「先生……味、どうですか?」
フォークを口へ運ぼうとする先生を見た。
意外に、鼻が高い。
目蓋の二重のラインも綺麗にすっと入ってる。
「甘すぎなくて、美味いよ。ありがとう」
目尻に皺を浮かべながら、先生があたしの方を向いた。
「どういたしまして」
顔が赤くなるって、こういうことなのかな?
あたしは、熱を帯びた顔を隠すみたいに、微笑んでからケーキを食べた。
歌、作りたいな……――――
甘すぎないチーズケーキは、なんだかあたしと頼城先生の関係みたいで……
何だか少し、甘酸っぱかった。