恋しちゃいけない!
 やはりあいつだった。

 日野末 旺架(ひのすえ おうか)
明日香の小さい頃から一緒...というか、金魚のフンのように明日香にくっついていた、同級生。

 昔から、【男のくせに】といつも明日香と一緒にいてからかわれていた子だ。

でも、明日香とは仲がいい...と思っているのは、旺架だけであろう。

 明日香から見て、『金魚のフンのようにくっついているただの、お邪魔虫』にすぎない。


 実は、旺架がいつもくっついていたのは、明日香と同じ旺架も...






ヴァンパイアだからだ。

「...それ、「安心しろ。誰にも見られてない」

それ、返して。と言おうとしたが、さえぎられた。

「ほらよ」

「......ありがとう」

お礼は言った。

でも、なんで旺架が持っているか不思議だった。

 それは後で聞くとして《問題は》、100枚あるかどうかだ。

コピーされた枚数を数えていると

「俺、それ一枚もらっておいたからな」

「..は?...なんで?」

「なんでって...記念だ」

なぜか、旺架は顔を赤らめた。

「...記念??...」

自分にしか聞こえない声で、明日香はつぶやいた。

< 6 / 17 >

この作品をシェア

pagetop