いつまでも。
「ねぇ、お出かけしようよ!」
「どこにだよ」
急な提案に驚くヒロ。
まぁいいけど、ってすぐに付け足すところが優しい。
「初デートの場所行きたい」
「…海?」
私は頷いた。
「じゃ、食べたら行くか」
ヒロが懐かしそうに言う。
私も、懐かしくなった。
朝食を食べ終えてから、出かける支度をして駅へと向かう。
「確かさ、お前遅刻したよな」
通り過ぎる人がじろじろとヒロを見たけど、ヒロは何も気にしていない様子だった。
「…そうだった?」
「ナマイキー」
初デートの時のことを思い出す。
服を何にしようか悩んでたら、遅れちゃったんだっけ。