三人の秘密
「マコはいちいち煩いな~。お前は私の親か。」

親にも同じようの事を言われた気がする。

言葉足らずなのは、私が元来の面倒くさがり屋であるからだ。

それに満がいるからだと思う。

満は言葉足らずな私を全て理解してくれている。

私が1言えば10理解できるのが満の特徴だった。

だからさっきだって私の代わりにマコに説明してくれていた。

私だってきっと、満がいなくてどうしても人とコミュニケーションが必要な状況に追い込まれれば、ちゃんと話せるんだ。

でも、満がいてくれるから必要ないだけ。

ミミズのように必要でないものは身体から無くなっていった結果なのだ。

やれば出来る、なんて言うが要するには必要がなければしないのである。

やろうと思わないし、しようともともしないから、喋ろうとする能力も、肝心な言葉もそぎ落とされていったんだ。

私は自分で自分をこんな風に解釈した。

だから、自ら話さなければならない状況なんか作りたくない。

それに満から離れたくない。

幼なじみで私のことを分かってくれている満から離れるなってもってのほかだった。

その結果私は満を巻き添えにしながら、毎年彼氏いない歴=実年齢というのを更新しているのだ。

私もいい加減彼氏の一人くらい作らなきゃまずいかなーなんて思ったりもするが、やっぱり満から離れがたく、いちいち彼氏を作るのも面倒だということからグダグダと彼氏を作っていないのだ。

マコはそんな私を見て、満と付き合えばいいじゃんといってきたが、十六年も一緒で兄弟のような満にそんな感情など湧くはずもなく曖昧な幼なじみという関係なままなのであった。
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