初恋の行方〜謎の転校生〜
黒崎さんの運転で家まで送ってもらったけど、その間、私も柏木君も終始無言だった。


家の前で車が停まり、黒崎さんがドアを開けてくれて外に出た。


途端にひんやりとした夜風に晒され、火照った体と心が冷やされる思いがした。


「ありがとうございました」


そう言って柏木君にお辞儀をしたら、


「じゃあ来週の日曜、迎えに来るから」


と彼は言った。

私は一瞬何の事か分からなかったけど、悠人君に会いに行くのだと思い出した。


“時間は?”と思ったけど、学校で聞けばいいやと思い、「はい。おやすみなさい」とだけ言った。


この時、ちゃんと聞いておけばよかったと、後に後悔するとも知らずに。


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