初恋の行方〜謎の転校生〜
週が明けても、柏木君は学校に来なかった。本庄さんも。


今日は来るかな、と思いながら学校へ行ったけど、結局は一週間丸々休みだった。


もしかすると青蘭に戻ったのかも、と思ったけど、それなら先生が説明するはずだけど、先生は柏木君達の事には全く触れなかった。


クラスの誰かが先生に質問しても良いものだと思うけど、誰一人それをしようとしなかった。私を含めて。


柏木君のいない学校は、寂しかった。

私の中で、柏木君の存在がどんなに大きなものになっているかを、改めて思い知らされた。


日曜日。

柏木君が何時に迎えに来るか分からないので、私は夜明けと共に起き出し、と言うよりほとんど寝ないで、よそ行きの支度をした。


寝ている家族を起こさないように、気をつけながら。


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