初恋の行方〜謎の転校生〜
支度が整った私は、柏木君が迎えに来てくれたら、家族に見られずにサッと出掛けられるように、2階の自分の部屋ではなく、1階のリビングで柏木君を待つ事にした。


ソファーにもたれ、ココアを飲みながら、普段は見ないテレビ番組を一人でボーッと観ていたら、だんだんと瞼が重くなってきて……


「……き、美咲、起きなさい」


誰かに肩をゆすられ、目を開くと、目の前に母の顔があった。いつの間にか眠ってしまったらしい。


「ああ、お母さん。おはよー」


「おはようじゃないわよ。来てるわよ!」


「ん……何が来たの?」


「何がじゃなくて、男の子よ!」



< 104 / 224 >

この作品をシェア

pagetop