初恋の行方〜謎の転校生〜
「オトコ……? ひゃっ、か、柏木君だ!」
私は慌てて立ち上がり、駆け出そうとしてからバッグを持つのを忘れてる事に気付くとか、とにかくアタフタしてしまった。
「美咲、そんなに慌てたら危ないから、少し落ち着きなさい?」
母にたしなめられて、「うん、わかった」とか言っていたら、
「ボーイフレンドか?」
ソファーに座っていた父が、身を乗り出すようにして聞いてきた。
「あれ? お父さん、今日はゴルフじゃないの?」
私の中で父は、休みの度にゴルフに行っているイメージだった。
「今日はない。そんな事より、その男は何なんだ? どこへ行くんだ? デートなのか?」
「ごめん、彼が待ってるから、話は帰ってからするから」
「“彼”って、おまえ。彼氏って事なのか? いつの間に……」
「行って来ます!」
今にも立ち上がりそうな父に背を向け、なぜかニコニコしている母に見送られ、私は急いで靴を履いて表に飛び出した。
ああ、帰ってから親に柏木君の事を何て言おう?
こうなるから親に気づかれたくなかったのに、失敗した……
私は慌てて立ち上がり、駆け出そうとしてからバッグを持つのを忘れてる事に気付くとか、とにかくアタフタしてしまった。
「美咲、そんなに慌てたら危ないから、少し落ち着きなさい?」
母にたしなめられて、「うん、わかった」とか言っていたら、
「ボーイフレンドか?」
ソファーに座っていた父が、身を乗り出すようにして聞いてきた。
「あれ? お父さん、今日はゴルフじゃないの?」
私の中で父は、休みの度にゴルフに行っているイメージだった。
「今日はない。そんな事より、その男は何なんだ? どこへ行くんだ? デートなのか?」
「ごめん、彼が待ってるから、話は帰ってからするから」
「“彼”って、おまえ。彼氏って事なのか? いつの間に……」
「行って来ます!」
今にも立ち上がりそうな父に背を向け、なぜかニコニコしている母に見送られ、私は急いで靴を履いて表に飛び出した。
ああ、帰ってから親に柏木君の事を何て言おう?
こうなるから親に気づかれたくなかったのに、失敗した……