初恋の行方〜謎の転校生〜
「え? 違うの?」


「んなわけないだろ? お袋さんは大学を出て……」


「隼人!」


「わ、分かったよ。はいはい、俺と悠人を産んだのは、お袋さんが18の時でした、って事にしとくよ」


柏木君はおどけてそう言ったのだけど、悠人君の名前が出て、一瞬の沈黙が流れた。


その沈黙を打ち消すように、

「この子はね……」

と、お母様はユキちゃんの頭を撫でながら、静かに話し始めた。


「悠人が天に召されてすぐに身篭った事に気付いたの。私も主人も慌てたわ……。
すぐに悪阻が酷くなって、悠人の事を哀しむ暇もないほどだったの。神様からの贈り物じゃないかと思ったわ」


「わ、私もそう思います!」


思わず私はそう叫んでいた。

そして、柏木君が私を探してくれた事も、神様からのプレゼントじゃないか。そんな事を思ったけど、もちろん口には出せなかった。


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