初恋の行方〜謎の転校生〜
母がクスクス笑いながら父の隣に座った。


「お父さんはね、夕方になってもあなたが帰って来ないから、心配でソワソワしてたのよ。
カーテンの隙間から外を覗いたり、うろうろ歩き回ったりして、雑誌を読むどころじゃなかったの」


「よ、余計な事を言うんじゃない!」


珍しく父が母を怒鳴ったけど、母は首をちょっとすくめただけで、顔は笑っていた。


「美咲、あの男は何なんだ?」


来た……!


「学校の同級生よ?」


私は努めて平静な顔を装い、予定した答えを言った。


「ん。で、いつからおまえ達は、その……付き合ってるんだ?」

「つ、付き合ってるだなんて……。彼はただのお友達です」


「友達? 友達とあんな事をするのか?」


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