初恋の行方〜謎の転校生〜
ズキッ


父の言った“愛”という言葉が、私の胸にチクッと突き刺さった気がした。


「もちろんあるわよね、愛は?」


そう母に言われ、「それは……」と、私は口ごもってしまった。


「何を言ってるんだ、お母さんは。美咲は挨拶だって言ったじゃないか? それにあいつの事は、ただの友達だって……」


「あなたこそ何言ってるのよ? ここは欧米じゃないのよ? ただの友達とキスするわけないでしょ?」


母にそう言われて、父は黙り込んでしまった。


「美咲、彼とお付き合いしてるんでしょ? 隠さなくていいと思うわよ?」


「それは……」


母に優しく言われたけど、私は素直に“うん”と言えなかった。


確かに、柏木君から“僕と付き合ってください”と言われたし、キスを2回したし、裸同然の姿を見られたけど、付き合っている、とは言えない気がする……


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