初恋の行方〜謎の転校生〜
柏木君は私を抱き抱え、クルッと回って今度は私が下になった。


「おまえ、初めてなんだろ?」


「うん」


「俺でいいのか?」


「あなただから、いいの」


「そうか」


「ねえ、名前を呼んで?」


柏木君は私の事を“おまえ”って呼ぶだけで、名前で呼んでくれた事が一度もなかった。だから、名前で呼んでほしかった。例え一度だけでも、最後に……


「美咲……好きだよ」


「私も、好きです。隼人さん」


柏木君の唇が私のそれに重なると、私は彼の首に腕を絡ませ、自分からも強く唇を押し付けた。


バスタオルは剥がされ、私は全てを彼の目に晒らし、託した。


やがて彼がゆっくり入って来て、私はシーツをギュッと掴み、その痛みに耐えた。

目から涙が次々と溢れ、シーツを濡らしていったけど、それは体の痛みのせいではなく、心の痛みのせいだった。


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