初恋の行方〜謎の転校生〜
「ボーイフレンドの柏木隼人君というのは、もしかして柏木グループの会長の孫じゃないのか?」


「お父さん、どうしてそれを……」

「やっぱりそうか」

「あなた、柏木グループって?」

「ん? 財閥だよ。しかも大きな会社を何社も傘下に納める強大な財閥さ。うちの会社もその系列なんだよ。柏木と聞いた時にどこかで聞いた名だと思って調べたんだ。同姓同名かと思ったんだが、やっぱりそうなのか……」


「へえー、凄いのね?」

「何が“へえー”だ。おまえは呑気すぎる!」

「何よ。怒鳴ることないでしょ?」

「相手は大金持ちなんだぞ? しかも隼人君は、次期総帥だそうだ。彼と美咲では、身分が違い過ぎる」


「何が“身分”よ。同じ日本人じゃない」


「おまえは甘いな。生活様式から物の考え方まで、連中と内じゃ全然違うんだぞ。美咲が恥をかくのは目に見えてる。俺だって、そんな連中と親戚付き合いするなんて、考えられん」


「そんなの分かってる!」


私は思わずそう叫んでいた。


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