初恋の行方〜謎の転校生〜
俺があまりにジロジロ見るせいか、川島美咲はかなり俺の事を意識しているようだ。


それはいいのだが、休み時間の度に席を立つのは、俺を避けるためか?


それではまずいな。わざわざ隣の席にしてもらった意味がない。何とかしてアイツに接近しなければ……


「隼人さん……」


「はい?」


「彼女、あなたを見て怯えてるんじゃない?」


「そんな感じですね」


「あの子、どう見てもうぶで大人しい子じゃない? 復讐なんてやめましょうよ?」


その紗耶香さんの言葉に、俺も正直なところ、そうかもしれないと思った。しかし……


「まだ分かりませんよ。猫を被ってるのかもしれません」


と俺は言っていた。
とにかく、アイツに接近し、実際はどんな女なのか、自分で確かめたかった。


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