初恋の行方〜謎の転校生〜
俺は声に出して笑いたいのを堪えながら川島美咲を見たら、彼女は俺を見てたらしく、俺と目が合うと、すぐに下を向いた。


その一瞬、川島美咲の顔が赤くなったように見えたのは気のせいだろうか。


可愛いじゃねえか……


おっと、何考えてんだよ、俺は。ミイラ取りがミイラになってどうすんだよ?


「ここに寄って行こうか?」

と川島美咲に言い、返事を待たずに「さあ」と言って彼女の肩に手を回した。


彼女の肩は華奢で柔らかく、俺が手を乗せると、ビクッとして身をよじったが、俺は手の力を強めて彼女の肩を抱き寄せた。


彼女は意外にも抗う事なく、俺に寄り添い歩きだした。


俺は従順な川島美咲に、満足と失望の両方を感じ、そんな自分に戸惑っていた。


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