初恋の行方〜謎の転校生〜
たぶん怒鳴った男子の膝で、お腹を蹴られたんだと思う。


前屈みになった私の体を佐藤君が支えると、


「女子に暴力はすんなよ。可哀相に泣いちゃったじゃねえか……」


そう言って、涙が流れた私の頬をベロンと舐めた。気持ち悪くて、


「イヤッ」


と顔を背けたら、


「アイツともうキスしたのか? それとも、もう寝たとか?」


私が首を振ると、


「ほんとかなあ。まあ、どっちでもいいや。俺にも触らせてくれりゃあ」


そう言って私の胸元に手を差し入れ、ブラウスが引っ張られてビリッとそれが裂ける音がした。


「ひゃっ」

「へえー、水色のブラか。興奮するなあ」

私が必死で胸を手で隠すと、別の男子は、

「下も同じ色かな」

と言ってスカートをめくろうとした。


それを私が手で押さえると、別の男子が何か怒鳴りながらまた私を蹴り、私は立っていられなくなり座り込むと、後はもう何がなんだか分からなかった。


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