初恋の行方〜謎の転校生〜
間もなくして、ドアをノックする音がした。

布団から目だけを出してドアの方を見ていたら、メイド服を着た二十代ぐらいの女性が部屋に入って来た。


わあ、本物のメイドさんだあ……


律子さんというらしいそのメイドさんは、部屋に入るなり私に鋭い視線を送ってきた。思わず布団で顔を覆いたくなったけど、それは大人げないと思って我慢した。


律子さんはトレイを持っていて、その上に湿布薬が乗っているらしかった。

それを柏木君は「ありがとう」と言って受け取ると、テーブルの上に置いた。


「お坊ちゃま、私が貼って差し上げますわ」


律子さんはそう言って、私とソファーにある私の脱いだ服に、素早く目をやった。


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