初恋の行方〜謎の転校生〜
「イヤ!」


もう片方の手を布団に伸ばそうとしたら、そっちも柏木君に掴まれてしまった。

つまり両手をベッドに押し付けられ、身動き出来ない状態だ。


「諦めて観念しろよ?」

「意地悪しないでください」

「おまえ、顔真っ赤」

「放してください」


「可愛いな……」

え?

「あいつの気持ちが解ったよ」

あいつ?

「“あいつ”って、佐藤君の事ですか?」

「誰だよ、そいつは?」

「今日、私に……」


“触った男の子”と続く言葉は言えなかった。悔しくて。


「ああ、あいつらか。違う」


「じゃあ誰ですか?」


もしかして……悠人くん!?


そう思ったけど、悠人くんの名前は言えなかった。私の見当違いかもしれないから。


「知りたいか?」

私がコクッと頷くと、

「大人しくしてたら言ってやる」

と柏木君は言った。


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