色恋


(海波君、ここは適当に誤魔化してさっさと行くわよ)


春川が、紺野に聞こえない様に小声で言った。


(……賛成。でも、どうするよ)

(……海波君、嘘も方便って知ってる?)

(ん……!?)


嘘も方便!?
何する気なんだ!

俺が緊張感たっぷりの顔で見守る中、春川は口を開いた。


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