色恋
「眠い……。だから、さっさと授業終わらせてくれ……」
「何だと……!?」
どうやら、俺の言葉に腹を立てたらしい。
額に青筋を立てている。
「海波。俺は今、紺野と大事な話をしてるんだよ。余計な口を挟むんじゃない!」
凄い剣幕だ。
だが、ここまで言ってしまったら、もう後には退けない。
「それの何処が大事なんだよ。紺野のしたいようにさせとけば、良いじゃねぇ-か」
「………。確かにそうだが、これ以上邪魔する様なら……海波、お前の国語の成績は、無いも同然だ。良いのか?」
「…ご自由に……」
俺が言うと、黒澤は悔しそうに教室から出て行った。
この時、俺は気づかなかった。
この行動のお陰で、紺野と深く関わることになるなんて……。