色恋


「わざわざ、何で屋上……なんですか?」


内心ビクビクしながら問うと、リーダーらしき女子が私の前に立った。


「あたしは、‘海波蓮様を愛する会’の会長、鈴原桃子。単刀直入に言うわ」

「…………」


‘海波蓮様を愛する会’?
何そのふざけた名前の会。
ネーミングセンス、零じゃん。


「紺野さん、ムカつくから海波くんにこれ以上近付かないでくれる!?海波くんは、あたしの、あたしたちのものなの!」


何それ、何それ、何それ!
それじゃぁ、海波君は‘もの’って扱いに聞こえる!!

有り得ない、有り得ない、有り得ない!!


何か知らないけど、すっごく嫌な気持ち。

そう思うと、勝手に口から言葉が出ていた。


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