色恋
「じゃぁ、まずは自己紹介といこうか!」
全員が席に座ったと同時に、水原が発言した。
「良いね!」
「じゃ、俺から!水原拓海。海風高校2年生で~す!!よろしく♪」
「加藤秋。紅葉高等学校2年、よろしく♪」
……と、こんな感じで俺以外の自己紹介が終わった。
「……あの、海波……?」
「…………」
水原が、恐る恐る俺に声を掛けた。
「……海波、自己紹介……してください」
「……断る」
「……怒ってるのか……?」
「……当たり前だろ」
「だよな……。あ、海波……」
水原の言葉を、俺の携帯のバイブが遮った。