色恋


「な、何でもなかったの!」


巻き込みたくない!
だから、隠し通してみせる!!

でも……、本当は……


『何でも……?』

「う、うん」

『…………』


これで良いんだよね……。


『……どうして言わねぇ-の?』

「…………」

『俺じゃぁ、頼りになんねぇってか?』

「……そんな事……っ!」

『……勝手にしろよ。俺には関係ねぇ……』


海波君は、そう言うと電話を切ってしまった。

自分が蒔いた種なのに、‘関係無い’と言われた時、胸が締め付けられる様だった。


< 92 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop