One STEP
普通ここまでできるのだろうか。
女優になれるんじゃないか、と思うくらいわざとらしくない笑顔で綺麗に微笑む先輩。
本気が感じられた。
ひしひしと、痛いほどに。
真剣なんだ。
1つ1つの動作が本気なのがこっちにも伝わってくる。
やはり人数が足りないのか、小人は3人しかいなかった。
しかしそんなことなんて忘れさせるほどの演技力に圧倒される。
1人1人が上手い。
ちゃんと自分の役割を分かっている。
だから会場は一緒になって盛り上がる。
みんなが1つになって、この〝白雪姫〟という話を作ろうとしているんだ。
夏沙先輩の笑顔。
いつもと変わらない笑顔なのに、この感じはなに?
いつものあのふざけている感じはしない。
笑うときのオーラは見たことのない別人のようだった。