One STEP
左右に揺れる影。
テンポ良い足音。
上から。
誰かが下りて来る。
あたしは無意識に身を縮こませていた。
きっと顔は真っ青だろう。
うそ…うそうそうそうそっ?!
地球外生命物体だった場合あたしの精神モロモロはどうなってしまうんだろう、とか脳内の片隅で考えた。
脳内の9割以上がパニック状態。
あたしが騒いだからッ?!
勝手にここに進入しちゃったからッ?!
おばけ様は怒っていらっしゃるのッ?!
入ってくるなってッ?!
「ごめんなさ―――いッ!!!!!!!!」
あたしはそう叫びながら、高速で頭を抱えてその場で蹲った。
ブルブル子犬並みに震えていることは、近くじゃないと分からない。
見方を変えれば、雷で恐がる高校生にも見えるだろう。
そんな情けないあたしに再び声が掛かる。
「なにが?」
トントンと。
降りてきたのは足がちゃんとある人間でした。