One STEP
ど…どうしよう。
マジでどうしよう。
逃げれない隠れない。
今日はスッキリ気分で帰りたかったのに。
先輩たちにもスッキリして帰ってほしかったのに。
どうも、そう上手くはいかないらしい。
「寺原せんぱぁーいっ!!!!」
ぴょん、と椅子から飛び降りた琴子。
もちろん向かうのは寺原先輩の元。
「かなり感動しました!!」
涙目で興奮しながらそう言う琴子。
今のこの琴子を見れば、その気持ちは痛いほど伝わるだろう。
「本当?ありがとう」
そう優しく嬉しそうに微笑む寺原先輩。
嘘がないその表情。
やっぱり先輩は綺麗で可愛い。